財団法人内外財務研究所



研究会レポート
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[本日のテーマ]
? 金融機関の現状

1.日時 平成20年11月11日 ?
2.場所 御堂アーバンライフビル ?
3.出席者 本日のリーダー
出席者
声元 通夫(経営コンサルタント、金融ジャーナリスト)
高嶋 信夫(当財団理事長)
中村 隆司(当財団理事)
川口 浩一(一級建築士)
高瀬 数久(高瀬クリエイト株式会社 代表取締役)

[1]金融機関の現状(1〜5)

1) 不良債権処理の進捗状況
バブル期の不良債権処理は一段落
企業破綻続出による不良債権創出
安易な処理不能債権処理による損失確定
2) 金融機関の収益回復状況
公的資金注入や法人税負担免除による外見上の高収益
基本業務(融資)収益の減少を補う非金利収益部門の拡大
顧客不在の銀行リストラ効果も今一つ
消費者金融機関取引、投資(サブプライム商品投資等)の潜在リスク表面化
3) 金融機関の再編効果
再編統合効果実現には時間を要する
下位金融機関の新たな再編の可能性
4) 金融機関の競争力
中途半端な国内・国際的営業施策
国際競争力は外国金融機関に及ばず
5) 金融機関の体質変化
基本的体質(分析偏重・戦略無し)は変化せず
堅実性に陰り(投機姿勢の拡大)

[2]金融機関の規模別経営方針の変化(1〜3)

1) メガバンク
営業地域選別施策の推進
対象顧客別営業体制の推進
2) 地域金融機関
地元回帰経営方針への転化
地域金融機関同志の協調体制構築
3) 金融機関グループ化の進行
メガバンクによる地域金融機関実質支配体制の進行

[3]金融機関の営業姿勢の変化(1〜4)

1) 効率至上主義
重点営業地域の明確化
重点営業対象の明確化
店舗施策・人員配置の抜本的見直し
2) 収益至上主義
顧客選別体制(富裕層・大企業優先)の強化
「質」に加え「量」を重視
非金利収益部門の強化
業績区分撤廃を受け取扱業務の多様化
リスク商品の販売強化
3) 冷徹な顧客対応
冷徹な契約至上主義的対応
予想損失を織り込んだ融資方針
事務的な債権回収処理方針への変化
4) 金融機関の競争力
自己資本充実を優先
金融不安を背景にさらなる金融引き締め
「貸し剥がし」から「貸し止め」へ

[4]公的管理監督体制の強化と金融機関への影響(1〜4)

1) 業務区分撤廃と管理監督強化
交換条件付セールスの禁止
説明責任の強化
金融検査の強化
2) 法的規制の強化
金融商品取引法(19年9月施行)など法的規制の強化
3) 自己資本規制(BIS基準)
金融危機(株安・円高点不良債権損失)を背景に基準未達金融機関続出の危険性
地域金融機関主体の金融機関再編現実化
4) 公的資金再注入の可能性
金融機関実質国有化の可能性
「金融ビックバン」の崩壊

[5]市場金利動向(1〜3)

1) 市場金利引上げの可能性
近日中の再引上げの可能性は遠のく
国債発行条件改定とも連動するため引上げの可能性は極めて少ない
2) 市場金利引上げの影響
再引上げの場合も企業は概ね調達圧縮傾向にあり影響は少ない
3) 市場金利引上げの金融機関への影響
市場金利引上げと貸出金利引上げの連動は比例しない
市場金利引上げに伴う預金金利引上げは金融機関の収益圧迫要因となる

[要約]
○金融機関の二極分化は更なる進行
○金融機関の体力は金融危機を受けて一層弱体化
○自由競争を目的とした「金融ビッグバン体制」の崩壊
○当面は顧客不在の営業方針に転化
○特定業種に対する金融引き締め(「貸し渋り・貸し剥がし」の強化)
○不良債権の機械的処理



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