財団法人内外財務研究所



研究会レポート
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[本日のテーマ]
? 量的緩和で金利・為替・株価はどう動く

1.日時 平成18年7月26日 (水曜)
2.場所 御堂アーバンライフ 当財団事務所
3.出席者 本日のリーダー
研究会員 2名
吉野 誠 氏(兵庫県立大学 講師)
柏木 利清氏(元日本触媒 大阪支社次長)

[研究内容の要約]

日本経済にとって、原油価格の高騰で一番影響を受けるのは、金利であろう。この3月、日銀は量的緩和を行った。日銀が各銀行の当座預金に入れている30兆円を最低限度の6兆円に減らすわけだから、24兆円を引きあげることになる。このカネが世界中のバブルを作っていた。

ゼロ金利の解消が多分秋口だろうと思われているが、それに伴って長期金利の上昇が始まるだろう。また原油をはじめ、鉄、銅、亜鉛などが引き続き高騰するだろう。

15年ぶりの金利上昇であるが、金融機関に「金利が上がる」のを知らない人間が増えてきているようだ。最近の動向をみると、株価が上がりながら、金利も上昇している。この現象は97年度のアジア通貨危機でも起こった。

その市場に与える影響についても
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1. 先日のIMFが「ドルは貿易赤字が続く限り、大幅に下落しなければならないというレポートを出した。ドルに対して高いのは円だけで、他の通貨に対してはことごとく安い。ドルを買っているのは日本だけ。
2. ドルが暴落することに、一番懸念を抱いているのは、中東産油国である。日本経済においては大企業を中心に、設備投資資金は内部保留の取り崩しでまかない、銀行融資にあまり頼っていない。したがって景気回復が進んでも、資金需要は増加しないだろう。

今後の対応をどうすればいいか(質疑応答)
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1. ゼロ金利の解消とともに、金利引き上げが来年春にかけて実施されるだろう。やがて長期金利の上昇も伴うので、個人家計部門で、住宅ローンを組むのは、なるべく年内の低い金利で、しかも固定金利でおさえておくとよいだろう。
2. ここ5年間、発行する国債の満期が短期化しているが、借り換え国債の利払いが大変である。金利は国の予算の「国債費」から支払われる。国債費は歳出予算の30%を占めている。 
金利が上昇するとこの国債費が増加することとなり、将来のインフレ傾向に注意しなければならない。
3. 株価は企業の業績回復とともに、年内は堅調に推移して、おそらく年末まで好調を持続するだろう。株価は特にアジア圏で中国、インドなどはバブルの様相があるので、来春にかけて暴落する可能性もあることを念頭に置いておきたい。
4. 金価格は国際商品などの動きとともに引き続き堅調に推移するだろう。これは需要と供給のアンバランスがかなり長期に続くものと判断していいだろう。


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